県が沿岸12市町村での起業を支援する補助事業の利用が伸びている。2017年度は40件と前年度の約3倍に上り、18年度も既に14件を採択した。東日本大震災で大きな被害を受けた沿岸南部の土地造成が本格化し、起業に向けた環境が整ってきたためとみられる。県外から帰郷して新たに店を構える人もおり、にぎわい回復に向けた動きが進んでいる。

 補助事業は「さんりく地域起業・新事業活動等支援事業費補助金」。沿岸12市町村での起業や新事業に取り組む中小企業を支援する。補助上限は200万円で、備品購入費や広告宣伝費が対象。補助率は原則3分の2以内だが、中心市街地で新たに事業を始める場合や若者、女性は6分の5以内と手厚い。

 18年度の採択は飲食店や美容室などの起業が12件、新事業への進出が2件。内訳は陸前高田市5件、大船渡市、宮古市、久慈市、山田町が各2件、洋野町1件と沿岸南部が多かった。引き続き補助申請を受け付けており、採択件数はさらに増える見通しだ。

 陸前高田市竹駒町の新沼大さん(35)は、補助金を活用して起業した一人。市内の災害公営住宅下和野団地に6月、新沼はり・きゅう院を開院し、昇降ベッド、低周波治療器の購入などに約90万円を充てた。