難病のため26歳で視力を失った盛岡市茶畑のマッサージ師川村良二さん(75)が15日、心の支えにしてきた自作民謡を人前で初めて歌う。同市八幡町の盛岡八幡宮で開かれる例大祭ステージで「岩手チャグチャグ馬子唄(まごうた)」を披露する。川村さんにとって自作民謡は、自己を表現すると同時に大事な家族もつなぐ存在。家族と周囲の勧めで立つ晴れ舞台に「生きる喜びと感謝を歌に込める」と挑む。

 川村さんは理容師やトラック運転手として働き、理容師の悦子さん(77)と結婚。娘2人に恵まれ、幸せな日々を過ごしていたが、一夜にして暗転した。

 原因不明の難病ベーチェット病に侵され、全身の腫瘍と40度超の高熱、痛みに苦しんだ。医師は「1週間もたないかも」と余命宣告。奇跡的に回復したが、視力は完全に失われた。

 失意と再発の恐怖の中で何度も思い詰めたが、家族のために奮起した。県立盲学校に6年間通ってマッサージとはり・きゅうの資格を取得し、自宅を改装して治療院を開業。悦子さんと二人三脚で娘を育てた。

 ステージ出演のきっかけは、長女で民謡歌手の北條真由美さん(51)=同市松尾町。北條さんから紹介されて所属した民謡民舞岩手中央支部(佐藤祐幸会主)から出演を勧められ、自作曲での挑戦を申し出た。

 同支部のステージは、15日午後4時半~6時。