NIEアドバイザー・佐藤 直志

スクラップを有効に

佐藤 直志さん

 時宜を得た記事など新聞の情報をカリキュラムに取り入れ、新聞教育と教科等の指導が相互に補完し合う学習活動が設定できれば児童の学びは充実します。北上・黒沢尻東小で行われた実践を例に紹介します。6年生国語科の俳句作りに新聞スクラップの活動を関連させた現・金ケ崎小の高橋淳子先生の取り組みです。

春の記事をスクラップ

 4月は「春」を感じる記事があふれています。「春」に関する記事からスクラップにする記事を選ばせます。その際①似たような経験をしたことがある②写真などから情景が想像できる-といった視点を与えます。短くインパクトのある見出しは何を伝えたいのかをズバリと言い得ていることから見出しにも着目させます。

スクラップで授業展開

 二つの段階を踏んで俳句を作ります。

 【ステップ1】教師が写真、見出し、記事に季節が明確に表現されている記事を児童に配布します。児童は①記事に添えてある写真から思いつく言葉を書く②思いついた言葉を五・七・五音にする③季語を決め言葉を組み合わせる-手順で俳句作りをします。

 【ステップ2】児童に記事を選ばせ、俳句を作ります。①児童が作った新聞スクラップを読み、自分の経験や想像から考えた言葉を書く②五・七・五音になるように言葉を考える③言葉を組み合わせて作句する。

 学習の継続は、全国俳句コンクールの入選という成果を上げました。黒沢尻東小では3年間、新聞教育に取り組み、初めの1年で県学習定着度状況調査の国語科「書くこと」領域が伸び、正答率が県平均を上回る効果も出ました。

 新聞から情報を得て活用する新聞教育の組織的・計画的・継続的な取り組みは、学力を向上させます。児童と教材の「時間」「空間」「思いや願い」の隔たりを埋め、各教科の知識・技能の活用、問題解決、探求力を培うためです。各教科で活用できる記事は多く、NIE全国大会を機に実践する学校が増えることを期待します。


花巻・矢沢小教諭 佐藤 直志(さとう・なおし)

 84年、盛岡・城南小で教員生活をスタート。宮古・磯鶏小、花巻・新堀小、南城小などを経て15年から花巻・矢沢小勤務。北上・黒沢尻東小在勤中の09年から新聞教育に携わり、15年、日本新聞協会認定NIEアドバイザーに就任。56歳。花巻市出身。