【東京支社】日本学術会議が設置した国際リニアコライダー(ILC)計画の見直し案に関する検討委員会と同検討委技術検証分科会は10日、東京都内で合同の第1回会合を開き、議論をスタートした。参考人として出席した素粒子物理学や加速器の研究者が「科学的意義は大きい」と強調した一方、委員からは多額の経費や関連技術の開発などに厳しい指摘が出た。

 検討委の委員長に家泰弘・日本学術振興会理事、分科会の委員長に米田雅子慶応大先導研究センター特任教授を互選。高エネルギー加速器研究機構(KEK、茨城県つくば市)の藤井恵介教授、中野貴志大阪大核物理研究センター長らが計画の意義や加速器の開発状況などを説明した。

 初期整備延長を当初の31キロから20キロに変更した理由を問われた藤井教授は「ヒッグス粒子の精密測定には、計画変更後の施設で実施するエネルギーでの実験が最も高い効果を見込める」と指摘。「ILCは非常に大きい科学的貢献が期待できる」と強調した。

 委員からは「国の財源が限られる中で多額の経費が必要だ。見合う成果が得られるか」「加速器などはまだ開発段階の技術が多い。準備期間を4年としているが足りないのではないか」との指摘や「環境への配慮がもっと必要だ」として放射性物質への懸念も出た。