宮古市田老の松本そめ子さん(80)は11日、田老地区で開かれる花火大会に参加し、追悼の思いを込めた花火を打ち上げる。東日本大震災では、長男毅さん=当時(47)=が行方不明のままで、長年失意に沈んだが、家族や周囲の支えで次第に前向きになり、人が集まる場所にも足を運べるようになった。震災から7年5カ月。花火が好きだった毅さんを思い、鎮魂と復興の祈りをささげる。

 毅さんは震災当時、田老町漁協の工場長を務めていた。そめ子さんや同漁協によると、工場内の40~50人の従業員を避難させた後、高台に避難したが、その後は詳しく分かっていない。

 毅さんがいない悲しみで、人が集まる場所を避け、自宅にこもりがちだったそめ子さん。転機は2年前に孫の青沢希(のぞみ)さん(29)と暮らし、地域の踊りのサークルに加わるなど、前向きになれるようになった。「このままでは生きているかいがないと思って。孫から元気をもらっている」と希さんに感謝する。

 11日に開く花火大会の主催団体の一つ、同地区の地域づくり団体「WARADUKA(わらづか)」は震災前「おらほの夏まつり」を開催。毅さんも一時期、主催者の一人だった。

 そめ子さんと大会スタッフでもある希さんの家族は今回、大小の花を咲かせる「スターマイン」を夜空に打ち上げる。そめ子さんの復興を願う言葉や、希さんの「空の上から見てね」というメッセージが披露される予定だ。