NIE全国大会盛岡大会は最終日の27日、盛岡市のアイーナで分科会を開き、小中高校8校の公開授業や7校の実践発表、1校1団体のポスターセッションを行った。沿岸被災地の大槌町では特別分科会として、小中一貫校の大槌学園が復興をテーマに授業を公開した。地域や自分を知るきっかけとして、文章力や読解力を養う教材としてなど、学校現場のさまざまな取り組みを紹介。子どもたちの声が響く活気あふれる授業を繰り広げ、参加者は熱のこもった議論を交わした。

語り継ぐ決意新た

 大槌学園の9年(中学3年)1組では、武田啓佑教諭(32)が「私たちはどう生きるか~自分ごととして未来を語る『ふるさと科』の実践~」をテーマに授業を行った。32人の生徒が新聞記事の比較や分析を通して、これからの大槌学園と自分たちが果たすべき役割を考えた。

 「ふるさと科」は町独自の郷土理解のための学習。古里のために自分たちができることを探ろうと、内陸の高校生の取り組みや西日本豪雨災害などを取り上げた5種類の記事を活用。他地域の出来事を「大槌とどんなつながりがあるか」との視点で読み進めた。

 西日本豪雨について生徒は、被害の大きさや人々の気持ちを震災時の大槌に重ね合わせ「サポートしたり自分の経験を伝えたい」と思いを寄せた。震災の経験を伝えることが今後の災害対策となることも確認した。

 9年生は古里の復興を自分のこととして考え、自分の言葉で発信する「語り部」を目指して学習を進めている。松坂咲希(さき)さんは「震災時に自分ができなかったことも含めて経験を伝え、次の災害で生かしてほしい。自分が語り継がなければいけないと改めて意識した」と背筋を伸ばした。

 武田教諭は「用意された資料だけでなく、自分たちの経験を踏まえて未来を考えていくことができてきた」と手応えを語った。

 参加者からは「授業で活用する記事を生徒が選ぶことで、さらに自分事として考えることができる」などといった意見が出た。