NIE全国大会盛岡大会は最終日の27日、盛岡市のアイーナで分科会を開き、小中高校8校の公開授業や7校の実践発表、1校1団体のポスターセッションを行った。沿岸被災地の大槌町では特別分科会として、小中一貫校の大槌学園が復興をテーマに授業を公開した。地域や自分を知るきっかけとして、文章力や読解力を養う教材としてなど、学校現場のさまざまな取り組みを紹介。子どもたちの声が響く活気あふれる授業を繰り広げ、参加者は熱のこもった議論を交わした。

復興へ願い重ねる

 甚大な被害を受けた東日本大震災からの復興を目指す大槌町の小中一貫校、大槌学園(松橋文明学園長、児童生徒614人)は、沿岸被災地での特別分科会として同校で公開授業を行った。「『大槌希望新聞』を作ろう」をテーマに、6年1組の36人が大槌の復興に向けて歩む人々を紹介した新聞記事を読み比べ、願いや思いを感じ取り、自身と重ね合わせた。

 「大槌のために頑張っている人たちの共通点を見つけよう」。児童は地元の人々が掲載された約30の新聞記事の中から興味をもったものを選択。9班に分かれそれぞれが選んだ記事を読み比べ、共通点を探した。

 音楽やスポーツ、地域づくりなど、各分野で大槌の復興に関わる人の願いや苦労を感じた児童たち。異なる取り組みの中から「大槌の人のことをたくさん考えている」「自分にできることを見つけて努力した」などと共通の行動や思いを読み取った。

 小豆嶋幸旭(こうき)君は「それぞれの方法で大槌のために頑張っている人がいることを知った。将来サッカー選手になって、大槌でサッカー教室を開くことで元気を与えたい」と地域に関わっていく思いを強めた。

 授業後、参加した県内外の教員は、学校と新聞社の協力態勢の構築や、新聞を通して震災を知ることの有効性などについて意見や質問を交わした。

 教壇に立った多田俊輔教諭(32)は「児童はさまざまな出来事の裏に共通した願いが隠れていることを感じてくれたと思う。大槌に住む子どもたちにしか作れない希望新聞を作っていきたい」と見据えた。