NIE全国大会盛岡大会は最終日の27日、盛岡市のアイーナで分科会を開き、小中高校8校の公開授業や7校の実践発表、1校1団体のポスターセッションを行った。沿岸被災地の大槌町では特別分科会として、小中一貫校の大槌学園が復興をテーマに授業を公開した。地域や自分を知るきっかけとして、文章力や読解力を養う教材としてなど、学校現場のさまざまな取り組みを紹介。子どもたちの声が響く活気あふれる授業を繰り広げ、参加者は熱のこもった議論を交わした。

震災報道 作品で表現

 震災を記録し、被災者の思いを伝える記事に触発された芸術作品群は、NIEの持つ新たな可能性を示した。

 矢巾町の不来方(こずかた)高(佐々木和哉校長、生徒835人)の芸術学系3年の39人は「希望の記号」をテーマに、国語を担当する畠山政文教諭(60)の指導で震災前後の新聞を読み込み、陶芸、彫刻、絵画、デザイン、自由、音楽の6分野ごとに制作した作品の意図を説明した。

 絵画班は震災直後に「郷土失色」との見出しが載った空撮写真と対比させるように、再生する命や自然の力強さを表現。遠藤真由子さんと佐々木三紀さんは「描き、伝えることは希望のメッセージになる。少しでも復興の役に立ってほしい」と願った。

 音楽班は岩手日報社の広告「最後だとわかっていたなら」の詩に曲をつけて発表。他県の教員から「詩の選択が素晴らしく心に入った」と共感を集めた。

 国語と芸術の教科横断の取り組み。芸術作品を言葉で表現する難しさもある中、畠山教諭は「記事を通して、改めて震災当時に向き合い、作品につなげた情熱に驚かされた」と生徒の姿勢をたたえた。