NIE全国大会盛岡大会は最終日の27日、盛岡市のアイーナで分科会を開き、小中高校8校の公開授業や7校の実践発表、1校1団体のポスターセッションを行った。沿岸被災地の大槌町では特別分科会として、小中一貫校の大槌学園が復興をテーマに授業を公開した。地域や自分を知るきっかけとして、文章力や読解力を養う教材としてなど、学校現場のさまざまな取り組みを紹介。子どもたちの声が響く活気あふれる授業を繰り広げ、参加者は熱のこもった議論を交わした。

被災者に思いを寄せ

 努力し続けるために必要なことは-。NIE実践指定校4年目の盛岡市の松園小(高橋真司校長、児童259人)は、東日本大震災で壊滅的な被害を受けた養殖ワカメを生産する男性が、困難を乗り越え再起を果たす話を教材に、自分の生き方を考えた。

 テーマは「日本一の復興を目指して」。中嶋一良教諭(50)が5年生37人に、田野畑村の男性が父の言葉や「日本一のワカメを取り戻す」という心で復興に挑む姿を読み聞かせた。

 児童はこれまでの新聞スクラップで当時の状況を補いながら男性の心境を想像。「心が折れそうな不安」や「ここでやめてどうする」といった強い決意を読み取り、「仲間の存在が大きい」「消費者の期待に応えたい思いがある」などと発表した。

 又吉亮太君は「面倒でやりたくないこともあるけど、将来や誰かのためになることを続けていきたい」と男性の経験を通して自分に誓った。

 研究協議では、震災と児童の距離を埋めるのに新聞が有効だったとする意見や、児童がほかの子の発言にうなずくなど、他者を受け入れる心が育っていることへの評価が挙がった。