第23回NIE全国大会盛岡大会は27日、大槌町で特別分科会を開き、全国の教員ら170人が同町の小中一貫校、大槌学園の公開授業や現地視察を通じて東日本大震災被災地の「今」に触れ、思いを寄せた。震災から7年4カ月余り。参加者は今大会のスローガンである「新聞と歩む 復興、未来へ」の意味と震災の教訓を胸に刻み、NIEの可能性や役割を考えた。

 同町大槌の同学園6、9年は町独自の郷土学習「ふるさと科」の授業を公開。復興と共に成長してきた子どもたちが元気な姿で臨み、新聞記事から得た情報や考えを基に同町で頑張る人々への思いや、自分たちができることなどを発信した。

 島根県吉賀(よしか)町の六日市中でNIEを担当する山本悦生教諭(48)は「震災を知らない世代が増える中で、教材としての新聞が記憶をつなぐ」と活用の意義を実感した。

 授業終了後、約100人が大槌町内を巡り、当時の町長や町職員が犠牲になった旧役場庁舎や人形劇「ひょっこりひょうたん島」のモデル、蓬莱(ほうらい)島などを視察。同町の一般社団法人おらが大槌夢広場(神谷未生(かみたに・みお)代表理事)の語り部ガイドが被災状況などを伝え、命を守る大切さを訴えた。

 震災復興ワークショップでは旧役場庁舎を震災遺構として残すか、取り壊すかなど震災後に町民が直面した課題と向き合い、議論。沖縄タイムス社の松田麗香記者(29)は「町を二分する問題は沖縄も基地問題がある。大槌の課題を知り、選択の過程の重要性を感じた」と理解を深めた。