高校生、心込め準備

 第23回NIE全国大会盛岡大会(日本新聞協会主催)は26、27の両日、盛岡市と大槌町で開かれ、約1600人の参加が見込まれる。盛岡白百合学園高と盛岡商高の生徒は26日に「号外」を発行。全体会の司会や座談会の登壇者、震災復興へ沿岸の商品を販売する係など、大会を支える県内の高校生たちの準備は万全だ。

盛岡白百合学園と盛岡商 熱気伝える号外製作

大会本番での号外発行に向け、新聞の紙面製作を体験する盛岡白百合学園高の生徒

 盛岡白百合学園高編集委員会と盛岡商高新聞編集委員会は大会初日、号外を製作し、会場の盛岡市盛岡駅西通の市民文化ホール大ホールなどで配布する。当日のニュースや特集記事を掲載し、高校生ならではの感性で大会の盛り上がりと新聞への愛着をアピールする。

 両校生徒は、岩手日報の記者からアドバイスを受け、記事の書き方や写真の撮り方に磨きをかけてきた。実際に取材や記事の執筆を行い、機械を使った紙面製作も体験した。号外はブランケット判の表裏2面構成を予定する。

 表面には、大会の内容を盛り込んだ速報記事とコラムを掲載する。裏面の特集は、高校生と新聞の関わりをテーマに開いた座談会の様子をまとめた企画記事や、座談会の司会を務めるIBC岩手放送の村松文代アナウンサーへのインタビュー記事を載せる。

 大会当日は速報取材班と号外配布班に分かれ、会場を駆け回る。盛岡商高の佐藤千尋(ちひろ)さんは「活動を通して新聞に対する関心が高くなった。自分たちの新聞作りにも生かしたい」、盛岡白百合学園高の川村楓(かえで)さんは「ものごとに興味を持つことで自分の視野が広がることが分かった。同世代の高校生にも新聞に親しんでもらいたい」と力を込める。


座談会登壇の釜石・佐々木さん 震災経験、ありのまま

打ち合わせに臨む佐々木千芽さん。26日
の座談会で東日本大震災の経験を発信する

 釜石高2年佐々木千芽(ゆきめ)さんは、26日の座談会で宮城教育大3年高橋莉子(りこ)さん(21)=大船渡・一中、大船渡高出=と震災で新聞が果たした役割について意見を交わす。東日本大震災発生当時は、同市の鵜住居(うのすまい)小3年生で、釜石東中の生徒に手を取られて避難した「釜石の奇跡(出来事)」を体験。命の大切さや防災の重要性を高校生の視点で発信する。

 佐々木さんはあの日、授業中に地震に襲われた。高台に避難する間、そばにいた釜石東中の生徒が手を引いてくれ「とても優しくて不安はなかった」と振り返る。避難先でも、食料の配布などを積極的に手伝う先輩たちの姿が目に焼き付いた。

 「中学生でも地域のためにできることがある」と感じた佐々木さん。釜石東中時代は生徒会で災害復興のための募金活動を展開。釜石高進学後も生徒会の活動に参加し、山火事で焼失した森林再生に向けた募金活動や、震災の教訓を伝えるために県外の高校生との交流会を続けている。

 佐々木さんは「震災のことを覚えているのは、当時小学3年生だった私たちがぎりぎりだと思う。(NIE全国大会が)災害や被災地で暮らす人のことについて考えるきっかけになればいい。震災の記憶を次の世代に伝える語り部を増やしたい」と、風化防止への思いを胸にステージに立つ。


盛岡二と盛岡白百合学園 司会進行で彩り加え

「元気よくやり切りたい」と意気込む(左から)松舘七瀬さん、神田伶弥さん、佐藤明日実さん

 盛岡二高視聴覚委員会の佐藤明日実(あすみ)さんと神田伶弥(れみ)さん、盛岡白百合学園高放送部の松舘七瀬(ななせ)さん(いずれも2年)は、26日の開会式や27日の閉会式の司会を務める。本県高校生の放送活動は全国でも評価が高い。3人は、日頃から磨いたアナウンス力を発揮して大会を彩る。

 3人は今月中旬、盛岡市内丸の岩手日報社で顔を合わせ、台本を読み合わせた。「岩手県盛岡市へようこそお越しくださいました」。明るく、聞き取りやすい声が響く。読み上げるスピードや、アクセントを丁寧に確認。佐藤さんは「読み込みが足りず、早口になるところがある。原稿を全部覚えるぐらいまで練習したい」と集中した。

 自作の原稿を読むアナウンス部門で活躍する松舘さんは「なかなか経験できない大舞台。大会成功に向けて、司会の立場から後押ししたい」と気合十分だ。

 座談会では、大会スローガンと同じ「新聞と歩む 復興、未来へ」を軸にした討論が展開される。神田さんは「震災からの復興が大きなテーマになっている。岩手のことを知ってもらうために、司会の役目を果たしたい」と笑顔を見せた。


盛岡商 三陸の味、元気に販売

力を合わせて考えた広告のキャッチコピーを掲げる(左から)田鎖祐里那さん、伊藤咲季那さん、鈴木爽央さん、四日市唯さん

 盛岡商高(猿川泰司校長、生徒730人)流通ビジネス科2年の有志7人は26日、盛岡市の市民文化ホール3階特設会場で商品販売会「盛商(もりしょう)マート」を開き、大会オリジナルの「NIE復興缶詰」など沿岸被災地の特産品を販売する。仕入れから販売までの計画に加え、大会パンフレットに掲載する広告制作にも挑戦。そろいの法被姿で、元気いっぱい三陸の味を売り込む。

 四日市唯(ゆい)さん、田鎖祐里那(ゆりな)さん、鈴木爽央(さちか)さん、伊藤咲季那(さきな)さんの4人は6月下旬、岩手日報社企画推進部の柏山弦部長と高橋敬弘次長を講師に迎え、広告のキャッチコピーを考えた。

 柏山部長は「買いに来る人を想像しながら考えよう」と助言。生徒は「三陸」「盛商生」といったキーワードを挙げながら意見を出し合い「いわて三陸のものを盛商生が心を込めて販売します」に決めた。

 26日は宮古市の藤原小、河南中、宮古水産高の児童生徒が協力して製作したサンマのNIE復興缶詰(限定200個、1個250円)のほか「山田生せんべい」「陸前高田おやつこんぶ」「希望の一本松クリアファイル」などをそろえる。田鎖さんは「全部売り切る気持ちで頑張りたい」と張り切る。