孤高の超A級スナイパー(狙撃者)が活躍する人気劇画「ゴルゴ13」は今年、連載50年の節目を迎えた。作者のさいとう・たかをさん(81)=東京都中野区=は、妻が盛岡市出身で、花巻市に別宅を構えるなど本県と深いつながりがある。盛岡市で開催中の特別展のため訪れた巨匠に、作品が支持され続ける理由や岩手への思いを聞いた。

 激動する世界情勢の舞台裏を描く同作は、1968年に「ビッグコミック」(小学館)で連載開始。総発行部数は2億部を突破し、コミック界の連載最長記録を更新し続けている。「よくこれだけ長く続いたなと、自分でも不思議な気がする」

 世代を超えて愛読される理由について「私が時代の常識や観念にとらわれずに描いてきたからではないか」と分析。子どもの頃から変わらないその視点は、あらゆる思想に左右されない主人公の生きざまにも投影されているようだ。

SPコミックス96巻表紙((C)さいとう・たかを)

 岩手県人の印象は「こんなに豊かな気持ちを持って生活している人がいるんだと思うと、自分が恥ずかしかった。みんなが岩手の人のような感性になれたら戦争は起こらないだろう」。80、90年代のエピソードにたびたび登場する本県出身の豪胆なキャラクター・藤堂伍一に「岩手の人に感じたことをダブらせていた」と明かす。

 今年で画業63年。漫画界に分業制を確立したことでも知られるさいとうさんだが、現在も自らペンを執る。作画で長年酷使してきた指は長時間描いていると固まり、マッサージが必要なほどだ。「肉体的なハンデがどんどん出てくる」と苦笑しながらも「読者が読んでくれるのだから、なんとか頑張ってもうちょっとやりたい」。意欲は衰えていない。