小中高で「復興缶詰」

 宮古市の藤原小、河南中と連携し、新聞を活用した復興教育に取り組んできた宮古水産高(楳原健校長、生徒251人)は11日、防災と未来への思いを詰め込んだ「NIE復興缶詰」を完成させた。高校生が小中学生に東日本大震災発生当時の新聞で缶詰の有用性を説明し、ラベルを小学生、レシピを中学生が考え、製造を高校生が担当した。

 NIE復興缶詰は「サンマ梅煮」と「サンマ和風だし味」の2種類。この日は、食品家政科食品管理系の3年生11人がサンマをさばき、慣れた手つきで缶に詰め、だしを加えて封をし「和風だし味」100個を完成させた。

 田鎖優(ゆう)さん、白土栞さん、西村未来(みらい)さん、細越祐依子さんは昨年11月、宮古市の藤原小6年生、河南中3年生の児童生徒に出前授業を行った。震災時の新聞を用い、缶詰の特長を説明した。4人は「発表は緊張したけど、普段作っている缶詰の存在の大きさを学べた」と振り返る。

 藤原小児童が「見た人が元気になるように」と思いを込めたラベルを作製。そのうち2種類が「復興缶詰」に採用される。河南中生徒は「普段食べてもおいしいレシピを考えよう」と知恵を絞った。高校生はレシピから2種類を選び、試作を繰り返してきた。

 指導に当たった村上美香教諭は「小中学生と交流することで自主性を育むことができた。今回の缶詰作りを新聞にまとめるなど、まだまだ活動の幅は広がる。今後も新聞の活用方法を探っていきたい」と意気込んだ。

 2種類の缶詰計200個は全国大会会場で開会日の26日、盛岡商高生が開く盛商マートで限定販売される。27日の実践発表では、新聞を活用した小中高連携の復興教育の成果を発表する。

水産高校らしさ発揮

教諭 村上 美香さん

 新聞を出発点として小中高で連携するのは難しかったが、生徒の身近にある缶詰を利用した水産高校らしい活動になった。新聞を読まない子が多い中で、少しでも新聞に関心を持たせ有効性を伝えられた。

缶詰の有用性を実感

3年 田鎖 優さん

 小中学生が理解できるように分かりやすく説明するのは難しかったが、活動を通して私自身、非常時の缶詰の有用性を実感した。親しみづらい存在だった新聞が、以前よりも少し興味が持てるようになった。


 宮古水産高

 日本で初めての水産教育を学ぶ機関として1895年に開校。昨年度、県の地域連携型指定校に指定された。