震災記事を歌や絵に

 盛岡市を主会場に26、27の両日開かれるNIE全国大会盛岡大会で授業を公開する不来方高(佐々木和哉校長、生徒835人)の芸術学系3年生は、東日本大震災に関する新聞記事を基に、復興を象徴する「希望」のメッセージを込めた作品を制作している。芸術学系コースを設ける同校独自の新聞活用の取り組みだ。

 「ドミレミ~、ララーラシド」。3年1組(39人)の音楽コース10人は4日、全国大会の公開授業で1度だけ歌う自分たちでつくった楽曲のメロディーを確認した。

 曲をつけたのは、3月11日付の岩手日報に掲載された広告記事。亡くなった大切な人を思う気持ちが胸を打つ内容だ。生徒は二つのグループに分かれ、メロディーのアイデアを出し合い完成させた。作曲に携わった小林あみさんは「普段の生活にある『当たり前』に感謝しようという気持ちを込めた」と振り返る。

 記事を基にした作品制作は国語、芸術科の教科横断の取り組み。国語で学んだことを音楽や美術などそれぞれ得意な分野で表現する試みだ。生徒は国語の授業で2011年3月の震災前後や今年3月11日の震災に関わる記事を読み込み、自身の専攻と結びつけ「希望」のメッセージを発信する創作活動を展開してきた。

 教壇に立つ畠山政文教諭は「自己の作品のプレゼンテーションを互いに行うことは、話すこと・聞くことの総合的な言語能力を伸ばす」と狙いを語り、教科の枠を超えた深い学びを確信する。

 全国大会では、音楽コースの生徒が完成した曲を披露。美術・工芸コース29人は、絵画や彫刻を制作し、モチーフとなった記事や創作の根拠、過程をプレゼンテーションする。

NIEで成長を期待

教諭 畠山 政文さん

 生徒は震災報道の記事を読み込むことで、7年前の事実に向き合おうという姿勢が見える。これから大人になる過程の中で、NIEで培った学びが成長の「下地」をつくるきっかけになってほしい。

気持ち込め歌いたい

3年 亀ケ森 流星さん

 初めての作曲でうまくいかないところもあったけれど、思いを伝えるにはどうしたらいいかを、みんなでアイデアを出しながら工夫した。全国大会の公開授業では、より気持ちを込めて歌いたい。


 不来方高

 1988年開校。人文、理数、芸術、外国語、体育の5学系がある。音楽部は全国最高賞を7回受賞している。