【広島市安芸(あき)区、広島県坂町で報道部・榊悟、八重樫和孝】西日本豪雨で甚大な被害が出た広島県の被災地は、二次被害の懸念やライフラインの寸断などで11日になっても、災害ボランティアの活動が本格化していない。猛暑の中、疲労の色を濃くする被災者。「今こそ、東日本大震災の恩返しをする時」。本県の関係団体は、震災を機に交流を深めた全国の仲間と共に、本格復旧に向け支援態勢の構築に動きだした。

 広島市安芸区の矢野東地区。救助隊が行方不明者の捜索を行う中、高校生の有志が幹線道路の土砂をかき出していた。

 広島県内では、被災規模の少ない地区を中心に災害ボランティアセンターが設立されているが、いまだ活動は本格化していない。同区では11日時点、避難指示が発令中のため活動の見通しも立たない状況だ。同区に隣接する坂町中心部では増水した総頭(そうず)川から大量の土砂が流れ込み、重機で取り除く作業が急ピッチで進む一方、住家の大半は手つかずのまま。ボランティアセンターは12日から活動を開始するが、復旧作業は長期に及ぶとみられている。

 この状況を受けて、広島市内では11日、全国の災害地支援ネットワーク団体の対策会議が開かれ、不足する資機材やマンパワーなどについて、広域的な支援調整を協議。本県からは震災で支援実績があるNPO法人遠野まごころネット(遠野市)の井上恵太さん(52)が参加した。

 被災地域が広範囲に点在し、被害の全容も分かっていない状況に危機感を募らせる関係者。「岩手と広島のつなぎ役になる」。広島県福山市出身で本県の復興支援に携わってきた井上さんはこう誓い「岩手からも活動に加わりたい人は多い。現地のニーズをしっかり伝え、震災の恩返しをしたい」と態勢構築を急ぐ。