町民から生き方学ぶ

復興に尽くす人の記事を読み、思いや苦労などについて意見を共有する大槌学園の6年生

 6年1組の児童は、新聞を介して復興に向けて歩む人々に接し、郷土愛を育むとともに、自身の生き方を学んでいる。

 「将来、どんな大人になり、どのように大槌と関わることができるか」。この日は、震災で身内を亡くした男性が古里大槌の復興に尽くす新聞記事を読んだ。

 友人に背を押され悲しみから立ち直り、「支援に感謝するとともに、地域の子どもたちが古里に誇りを持てるように」と手づくり音楽祭開催に向けて奮闘する男性の思いや願いに触れ、グループで話し合った。

 児童は、記事に書かれたいくつもの場面から「つらいけど努力している」「涙にはうれしさも悲しみもあったはず」と男性の気持ちを感じ取った。

 岩間さつきさんは「自分自身が大変な時なのにイベントのために頑張った。私も楽しいことで大槌に関わりたい」と男性を自分に置き換え、地域への関わり方のヒントを得ていた。

 児童は毎週金曜日の「NIEタイム」で新聞記事を活用したスピーチなどに取り組む。昨年はサケの学習で新聞を活用。地域産業の現状や課題、将来について考え、記事を基に課題を設定して調べ、図や写真、言葉でまとめる力をつけてきた。

 指導に当たる多田俊輔教諭(32)は「子どもたちは、新聞を深く読み込むことで、身近な出来事の中に、人の願い、努力が隠れていることを実感できている」と手応えを語る。

 全国大会では、復興に努める人の願いに触れ、自身の考えと比べ、これからの生き方や古里の未来について考える授業を展開する。

児童のアンテナ高く

教諭 多田 俊輔さん

 新聞を活用した学びを通して、児童が世の中にアンテナを張るようになった。自分の夢と大槌への関わり方を合わせて考えられるようになることが目標。自身の思いを重ねながら新聞を読んでほしい。

思い読み取る楽しさ

6年 倉田 海聖(かいせい)君

 新聞から人々の思いや願いを読み取ることが楽しい。好きなサッカーの記事を普段よく読んでいる。復興に向け、人を笑顔にする力が大槌には必要だ。全国大会では協力して考えを深められるように頑張る。


 大槌学園

 2015年度に大槌小と大槌中が統合し小中一貫校として開校。16年度、小中学校の9年間を一貫したカリキュラムで運営する義務教育学校に移行した。「よく考え 心豊かに たくましく」を学校教育目標に掲げる。▽地域への愛着を育む学び▽生き方・進路指導を充実させる力を育む学び▽防災教育を中心とした学び-を3本柱とした町独自の郷土学習「ふるさと科」に力を入れる。