古里学習を進める大槌学園(松橋文明学園長、児童生徒614人)は5日、NIE全国大会盛岡大会のプレ授業を行った。学園の教師らが見守る中、6年生と9年生は、町独自の郷土学習「ふるさと科」の授業で、東日本大震災からの復興に向けた町民や高校生の取り組みを新聞で学び、震災復興の考えを深めた。

復興の道、先輩と共に

地元の高校生の取り組みから、若い世代にできる古里の復興、未来に向けた活動を考える大槌学園の9年生

 古里の復興を自分のこととして考え自分の言葉で発信する「語り部」を目指す9年1組は、高校生と共に取り組める復興策について考えた。

 「大槌町を元気にするため高校生と何ができるだろう」との武田啓佑教諭(32)の呼び掛けに「部活を一緒にやる」「町内清掃のボランティア」などの発言が続いた。

 武田教諭が取り出したのは震災復興に向け大槌高生らが取り組む数本の記事。教育方針や防災、福祉施策の提言、沿岸地域の高校との交流などの記事を読み、9班に分かれ意見交換し、高校生と一緒にできる活動を考え発表した。

 アイデアは、高齢者支援や特産品開発・販売、クラウドファンディング、観光ルートづくり―などさまざま。

 当初、合唱や文化祭交流を挙げていた6班の4人は▽震災を忘れないために意見を共有する機会▽復興を語る会▽震災風化防止動画の制作―の三つを提案。理由を「記事の共通点は震災の伝承と郷土愛。風化防止へ向けた伝承方法を考えた」と説明。記事を読み、考えを深めた。

 授業を参観した松橋学園長(57)は「記事を使うことで、生徒は過去、現在を振り返り、先輩の活動をはっきり認識している。新聞は教科書にはない身近な生の資料だ」と活発な議論に目を細めた。

 全国大会では語り部の学習を進め、複数の記事を比較・分析し大槌学園の果たすべき役割について意見交換する。

「語り部計画」進める

教諭 武田 啓佑さん

 身近な記事を使うことで生徒は「私はこうしたい」という意見をしっかり言えるようになった。古里の復興と未来を自分のこととして考え、自分の言葉で発信できるように「語り部プロジェクト」を進めたい。

新聞を通じ防災共有

9年 佐藤 優和(ゆな)さん

 新聞にはいろいろな人の意見が掲載され学ぶことが多い。震災の記憶はあまり残っていないが新聞で学べる。災害はいつどこであってもおかしくない。新聞を通じ防災をみんなで共有できればいいと思う。


 大槌学園

 2015年度に大槌小と大槌中が統合し小中一貫校として開校。16年度、小中学校の9年間を一貫したカリキュラムで運営する義務教育学校に移行した。「よく考え 心豊かに たくましく」を学校教育目標に掲げる。▽地域への愛着を育む学び▽生き方・進路指導を充実させる力を育む学び▽防災教育を中心とした学び-を3本柱とした町独自の郷土学習「ふるさと科」に力を入れる。