学校全体に広がる輪

総合学習で、その日の新聞記事を読み意見を400字原稿用紙にまとめる花巻東高の3年生キャプション

 2017年からNIEの実践校指定を受ける花巻東高(小田島順造校長、生徒641人)は全校でNIEに取り組む。3学年は総合的な学習の時間(総合学習)に毎月3回、表現力の向上を目指し、教科を越えて教員が指導する体制を敷いている。

 3年の5学級は5月30日、NIEの授業に臨んだ。生徒は、プリントに印刷された新聞記事を読み、くるりとひっくり返して裏面の原稿用紙に鉛筆を走らせ、感想を400字にまとめた。

 記事は、NIEを担当する国語科の夏井友也教諭(44)が各紙の朝刊から選ぶ。政治、経済、医療などさまざまな分野から4、5本切り抜いて印刷し、無作為に配布する。生徒にとっては、関心がある分野を手にするときもあれば、全く興味のない話題について考えるときも。

 福祉分野に関心を持ち大学進学を志すD組の坂下芽衣さんはこの日、若年層に多いがんの記事を読んだ。「10代で白血病が多いことを知った」と驚くとともに「新聞からは新しい知識を学べる。考えをうまくまとめられるようにもなった」と効果を実感する。

 クラス担任が総合学習を担当することで、教員側にも積極的に新聞を活用する姿勢がみえてきた。記事を基に1分間スピーチをクラスで展開するE組担任の沼山尚恵教諭(31)は「進学や就職の試験で、意見をまとめ話せるようになってほしかった」と取り組み始めたきっかけを語る。

 実践指定2年目を迎え、自身が担当する学年から全学年にNIEの輪が広がったことに夏井教諭は「異動がない環境が組織的な実践につながっている。私学の特徴を生かしたい」と意欲を見せる。

 全国大会では、生徒の新聞への意見投稿や、教員が教科を越え組織的に指導に当たった成果を発表する。

投稿通し表現力向上

教諭 夏井 友也さん

 新聞への意見投稿から表現力向上を目指している。校内で実践を重ねる中で、生徒の成長のみならず、教員に広がるNIEの輪も実感している。全国大会では、全校でNIEを実践している様子を発信したい。

意見まとめる力つく

3年 高橋 蓮さん

 NIEを続け、スムーズに自分の意見をまとめられるようになってきた。花巻東高は野球部の活躍が知られているが、全国大会を通し学校を挙げてNIEに取り組んでいることを知ってほしい。


 花巻東高

 1982年に私学2校が統合し発足。菊池雄星選手や大谷翔平選手ら国内外で活躍する野球選手を輩出している。