紙面で学ぶ町の災害

岩手町内の豪雨被害地点を記事から読み取り、白地図に印を付ける沼宮内高の3年生

 「災害を自分の事として考えよう」。7月のNIE全国大会盛岡大会で授業を公開する沼宮内高(長谷川昌生校長、生徒105人)3年生は本番に向け、学びを深めている。

 東日本大震災以降、生徒らの被災地支援への意識は高いが、地元の防災を考えることはあまりなく、全国大会を機に、自分たちが住む地域の災害の可能性や、高校生にできる防災、地域力の必要性を学習している。

 これまでに、1933~35(昭和8~10)年に発生した地響き、七時雨(ななしぐれ)山の火山に関する新聞記事を活用し、地域が火山活動により形成されたことを学んできた。

 5月30日の授業では町内に被害が出た水害がテーマ。2010年と17年に町を襲った豪雨の記事を教材に、川の氾濫や鉄砲水など災害発生地点を拾い、白地図に印を付けながら「災害はひとごとではない」と学んだ。消防団による人命救助の記事も読み、地元がたびたび豪雨に見舞われたことや命を救う地域コミュニティーの大切さを確認した。

 岩手日報報道部の金野訓子(のりこ)記者も教壇に立った。「過去を学び、今を知る」をテーマに講話し、災害の教訓を受け継ぐ全国各地の言葉や言い伝えを紹介した。安否札配布活動を行う釜石市の高校生の記事も取り上げ、「新聞には防災のヒントがちりばめられている。地域の課題と重ね合わせ、活用してほしい」と呼び掛けた。和田絵理奈さんは「高校生にも、町の防災に対して何かを提言できることが分かった」と感想を語った。

 同校は今後、岩泉町でのボランティアや学習成果を家族や地域に伝える活動など、公開授業への準備を進める。

古里見直す防災学習

教諭 山下 佳子さん

 災害や防災に関し新聞が優れている点は、過去の事例や他地域の取り組みを確かな情報として知ることができること。生徒には、防災学習で古里を見直し、全国大会で発表することで自信を付けてほしい。

新聞活用し知識に幅

3年 志田 啓太さん

 新聞は、写真や図解などが掲載され、文字だけでは難しい出来事も分かりやすく伝えている。新聞を使った学習は、これまで興味のなかった話題に触れるきっかけにもなり、知識が広がる。


 沼宮内高

 1948年、開校。昨年「防災スクールいわて」の指定を受け、復興・防災学習を進めている。ボランティア活動が盛ん。