昨年9月に東京都足立区から陸前高田市広田町に移住した元会社員の野尻悠(はるか)さん(23)は3日、地域の古民家を改修し、カフェ「彩葉(いろは)」をオープンした。都内で就職したが、学生時代に訪れた同町の人々を忘れられず、半年で退職。「何もない町は何でもできる町」と移住先の「第二の故郷」で笑顔あふれる休憩所を営んでいく。

 初日は午前10時の開店後、若者から高齢者まで幅広い世代が訪れ、飲み物を片手に笑顔で会話を楽しんだ。野尻さんは「席に座ってコーヒーを飲む姿を見たら、喜びと同時に頑張ろうという気持ちになった」と接客に励んだ。

 広田半島の端にある木造平屋の古民家を借り、クラウドファンディングで資金を集めて改修。海の家をイメージしたカウンター7席、地域の住居の雰囲気を感じる座敷を用意した。店名には地域住民の会話や交流が店を彩るという意味を込めた。

 野尻さんは拓殖大政経学部3年時に同市のNPO法人SET(三井俊介代表理事)の地域おこしプログラムに参加。約1週間、ゆっくりとした時間の中で広田の住民のぬくもりが忘れられず、その後は学生サポーターとして毎月通った。