花見の名所として知られる奥州市水沢中上野町の水沢公園の桜の老木化が進んでいる。市によると、県天然記念物に指定された1966年に398本確認されたが、枯れるなどして3割ほど減少し、現存する木も幹の腐朽や空洞化が進む。市はオーナー制度導入も検討し、市民との協働で景観保全を進める。

 水沢公園は1878(明治11)年ごろ、岐阜県出身の放浪絵師蓑虫山人(みのむしさんじん)が設計したとされる。ベニヒガン、シダレヒガンなどヒガン系の桜が多いのが特徴で、隣接する駒形神社とともに「ヒガン系桜群」として県の天然記念物に指定された。例年、4月中旬から下旬にかけて約3万人の花見客でにぎわう。

 老木化は長年の課題となっている。長きにわたって「樹齢250~300年の老大木」と紹介していた経緯があり、近年は幹の腐朽や空洞化が特に目立つ。市が昨年度行った調査では、確認できた桜は天然記念物の指定エリアで272本。エリア外を含めると計421本あるが、樹齢約100年とされる基準木のソメイヨシノを含めて老木化は進む。

 市は危険性の高いものから伐採し、市民らの植樹の協力を得ながら、年間5本程度ずつ植え替える方針。これまでも市民団体などから植樹の希望は寄せられていたが、そのスペースを確保できなかった。今後、出資者の団体・個人名なども掲示できるオーナー制度の導入を検討する。