盛岡市の岩手大付属小(今野日出晴校長、児童609人)は22、23の両日、学校公開研究会を開いた。2日間で公開授業30こまを行い、県内外の教育関係者ら約千人が参観した。学習指導要領の改定に伴い、本年度から教科化された道徳や、3、4年生に拡充され、5、6年生では2020年に教科化される英語など、変化に対応した授業や学びを深める授業を提案した。

 道徳 児童の考え引き出す

道徳の授業で次々に自分の考えを述べる3年つばき組の児童

 道徳の授業は1、3年のクラスで行われた。3年つばき組では、担任の谷藤光明教諭(31)が、友人の輪に入れない子どもの絵を見せ「困っている友達に声を掛けるには、どうすればいいかな」と問いかけ、児童が次々と手を挙げた。

 授業のテーマは「友情、信頼」。谷藤教諭が、友達がなく登校しづらくなった級友を家まで迎えにいく少女の物語を読み聞かせた。

 児童は、困っているクラスメートを元気にしようとした主人公に共感。自分が主人公の立場だったらどうするかを考え、「勇気を持って行動する」「助けるっていいことだ」などと発言した。

 班ごとに、周りに困っている友達がいないか話し合い、最後は自分の思いをノートに書き留めた。

 谷藤教諭は「子どもの意見を力ずくで引っ張り出すと、価値観の押し付けにつながる。一人一人の考えを尊重することが大切だ」と強調した。

 小学校の道徳は、教科化により、考え、議論する点を重視するようになり、学校現場では授業展開を模索している。

 葛巻小の佐々木麻伊子教諭(34)は「教科書をなぞるだけでなく、私生活に役立つ意見を児童に考えさせ、引き出す工夫が参考になった」と授業に見入っていた。

 複式 テーマそろえる工夫

3年生と4年生が同じ教室で理科の授業を行うすずらん組の児童

 複式指導は、国語や算数の授業を公開した。3、4年のすずらん組は黄川田健教諭(38)が3年「こん虫を調べよう」、4年「動物のからだのつくりと運動」の授業を展開した。

 学習の共通点「動く」「生き物」を共有した後、黄川田教諭は黒板前の机に3年生を集めた。クワガタやクモなど12種類の虫を観察させ違いに気付かせ昆虫の体の構造を直接指導。その間、4年生は、腕の曲げ伸ばしの仕組みを各自の席でタブレットを使い学んだ。

 次は4年生が黒板前へ。関節が動く構造を2人一組で発表。3年生は、教室後方に置かれた虫の名前を図鑑で調べた。最後は、それぞれの学習の共通点と相違点を再確認した。

 同じテーマで授業を組むことについて黄川田教諭は「単元の組み直しが必要だが、振り返りや新しい気付きなど、高いレベルの学びにつながる」と強調する。

 英語 まちの話題交え会話

バスセンター跡地利用を考え、希望する施設を英語で話し合う6年しらかば組の児童

 英語科、英語活動の授業は6年、3年の各1クラスが公開。菅原純也教諭(42)は6年しらかば組の「I like my town」の授業を公開した。

 「留学生向けの盛岡マップ作り」を目標に掲げる単元8時間の5時間目で、盛岡市のバスセンター跡地に建てたい施設を考え、英語で交流した。「I want a~」「You enjoy~ing」を使い、児童は希望する施設や理由を英会話で紡いだ。

 グループ学習では、単語カードを手にそれぞれが発表し、既習の「I like~」なども織り交ぜ話す児童も。「伝えたい」「理解しよう」という姿勢が垣間見えた。最後は単語リストを使い書き方を練習した。

 菅原教諭は「児童一人一人を知る担任が授業を行うことで力を伸ばせる。教師一人で考えず皆で授業をつくることが小学校の英語を充実させる秘訣(ひけつ)」と学校ぐるみの展開を呼び掛ける。