活字に触れ言葉育む

新聞記事を使ったワークシートを掲げる盛岡聴覚支援学校中学部の3年生

 「生きたい。そう言っている気がする」。新聞のコラムを読み上げた。盛岡市の盛岡聴覚支援学校(石川敬校長、幼児児童生徒47人)の中学部3年生5人は7日、2組に分かれて国語の授業を受けた。

 NIE全国大会で実践発表を行う千葉信子教諭のグループでは、山根しずほさん、千葉妃菜(ひな)さん、中村輝月(かづき)さんが新聞のコラムを使ったワークシートに取り組んだ。

 脳損傷者の手記を基にしたコラムを1段落ずつ順番に読み、設問の答えや感想を手話を交えて発表する。千葉教諭は音読に合わせ丁寧に発音を指導し、黒板に文中の言葉から「紡ぐ」を書き出し「何て読む」と問いかけた。生徒にとっては初めての言葉。読み方や、繭から繊維を引き出し糸にする意味や文章を作る比喩的表現を学んだ。

 コラムを読み解き、知識を深める授業を千葉さんは「難しい言葉も分かってきた」、中村さんは「記事を読むことで自分が知らなかった社会のことを想像できるようになった」と振り返った。

 同校は、遠方の児童生徒が暮らす寄宿舎でも壁新聞づくりなどのNIEを展開している。児童生徒が協力して作る紙面は話題が豊富で、友達が何に興味を持っているか-というコミュニケーションにもつながっている。

 新聞記事には、さまざまな文字や表現がちりばめられ、子どもたちの言葉を育む。石川校長は「NIEは文章を読み解き、考え、発表するきっかけになっている」と児童生徒の成長を見守る。

 全国大会では、新聞記事を活用した復興・防災学習の実践を発表すると同時に、寄宿舎の壁新聞も展示。手話通訳が入る。

より豊かに考え表現

教諭 千葉 信子さん

 新聞を読み、制作する中でコミュニケーションと子どもの興味を大切にしてきた。繰り返し取り組む中で読み込む力は伸び、言葉が育っている。生徒が自分の考えをより豊かに表現できるよう取り組み続けたい。

社会の出来事に興味

中学部3年 山根 しずほさん

 新聞では、政治でお金に関する問題が起こっていることなどを知ることができる。ワークシートを使った勉強では、先生の話をよく聞いて、自分で考えて答えを出せるようになってきて、楽しいと感じている。


 盛岡聴覚支援学校

 1911年、私立校として設立され、後に県立へ移管。37年にはヘレン・ケラーが来校した。