名古屋市の歌手茜谷有紀(あかねやゆうき)さん(40)は東日本大震災後、復興へ歩む野田村を定期的に訪れている。今年は自身がボーカルのバンド「まほろばローリング楽団」として、津波被害から再起した三陸鉄道でライブを初開催した。「村が好きだから」と同村をテーマに作詞作曲した曲を披露するなど、住民たちと絆を強めている。

 三陸鉄道ライブは陸中野田駅-普代駅間のレトロ列車内で10日に開いた。往復約1時間半の旅の間に13曲を演奏。熱い演奏に約40人の聴衆は手をたたき歓声を上げた。同村を思って作詞作曲した「だらすこ節」「荒海節」「囲炉裏(いろり)節」「涼海(すずみ)の丘に萌える」を披露すると車内はさらに熱狂し、涙を浮かべる住民も多かった。

 茜谷さんと村の交流の始まりは、震災後の復興支援だった。2011年5月、ライブで八戸市を訪れた際、同村に立ち寄り物資を支援。その後も復興に向かう村の様子を見に毎年訪れてきた。

 14年、同村野田の旅館「苫屋(とまや)」に宿泊し、主人の坂本充さん(58)と妻久美子さん(60)夫妻の提案を受け、同旅館でライブを開催。住民が楽しむ姿を見て、音楽を通して村の力になれるかもしれない、との気持ちが芽生えた。その後も村内で2度ライブを行い、ライブがないときも頻繁に村を訪れている。