東日本大震災で被災し大槌町から盛岡市に拠点を移した赤武(あかぶ)酒造(資本金1千万円、古舘秀峰(ひでみね)社長)が完全復活を遂げ、躍進している。2013年に同市北飯岡に本社工場「復活蔵」を整備し5年。3月の県新酒鑑評会で第1位、5月の国際品評会も最高賞ゴールドメダルを受けるなど内外から高評価を獲得し、販路も生産量も伸ばしている。津波で一度は廃業も覚悟した同社が、再起時に掲げた「岩手を代表する酒造り」へとまい進する。

 山形県で5月12~20日に開かれた世界最大級の国際品評会「インターナショナル・ワイン・チャレンジ」。「AKABU 純米大吟醸 結(ゆい)の香(か)」は、酒部門・純米大吟醸の部で、全440銘柄から最高賞22銘柄の一つに選ばれた。本県オリジナル酒米・結の香を県産酵母で醸造。フレッシュでありながら深い味わいがあると、高い評価を得た。

 3月にも県酒造組合などが主催する県新酒鑑評会で県知事賞第1位を受賞。昨年も県清酒鑑評会で入賞するなど、復活蔵での再出発から数年で長足の進歩を遂げている。

 けん引するのは、同社6代目杜氏の古舘龍之介専務(26)。酒造りは一般的に杜氏の経験や勘に頼る部分が大きいとされるが、同社は県工業技術センターの専門家の助言や解析データ、研究成果を活用。酒質を良好に保つ低温貯蔵庫も導入した。龍之介専務は父の秀峰社長(53)と共に、従来の購買層も大事にしながら、時代に合わせ若者にも好まれる味を追求する。