奥州市は23日、同市水沢大手町の市総合水沢病院(半井(なからい)潔院長、145床)で2013年12月に呼吸苦などを訴えて入院した同市の20代女性が重度の意識障害になった医療事故があったと明らかにした。女性側が病院側に損害賠償を求める訴訟を盛岡地裁に起こしており、市は和解するために慰謝料など2億3千万円を支払う方針を固めた。市は検査が不十分だったと認めている。

 同日開かれた市国保事業運営協議会で明らかになった。市医療局によると、女性は13年12月、自律神経失調症の疑いで内科に入院。倦怠(けんたい)感や呼吸苦など原因が特定できない体の不調を訴えた。主治医は心療内科と併せた診療が必要として転院を調整したが、転院前に女性の呼吸の状態が悪化し、心肺停止状態となった。盛岡市の県立中央病院に搬送後、低酸素脳症で重度の意識障害となり、現在も別の病院に入院中。

 女性側は訴訟で、心肺停止になる前に病院側が必要な処置を行わなかったと主張し、病院側に約3億円の損害賠償を求めた。市医療局によると、16年3月から盛岡地裁で口頭弁論が始まり、17年6月に地裁から和解に向けた提案があった。

 市は、女性が患っていたとみられる難病のギラン・バレー症候群がまれな疾患のため、疾患と疑って治療を始めるのは非常に困難とする一方、病院の検査は不十分だったと認め、和解する方針。和解金は逸失利益や将来の介護費用などが含まれる。