史実、記事で引き寄せ

奥州市胆沢区の角塚古墳の記事を熱心に読む岩手大付属小の6年生

 古墳について学ぶ授業の最後、子どもたちは奥州市胆沢区の角塚(つのづか)古墳を紹介する岩手日報の記事に興味深く目を走らせた。

 盛岡市の岩手大付属小(今野日出晴校長、児童609人)は、同市を主会場に7月開かれるNIE全国大会で「江戸幕府と政治の安定~地域に残る江戸文化」と題し社会科の公開授業を行う。

 授業を公開する関戸裕教諭(41)は4月末、前方後円墳の学習の締めくくりとして新聞記事を使った。教科書で取り上げているのは大阪・堺市の大仙古墳。記事で県内の古墳に接することで、古代史が遠くの出来事ではないことを教えるのが狙いだ。

 大仙古墳の大きさや長時間をかけた造成などを考え、王や豪族ら権力者が多くの人々を働かせ古墳を造らせたことを学んだ後、前方後円墳の分布を地図で確認した。

 日本最北の前方後円墳が岩手にあることに驚き、角塚古墳について考えた。小沢星(じょう)君は「大仙古墳に比べ、ずっと小さく権力の差を感じた。岩手にも豪族がいたのかな」と思いを巡らせた。

 授業の終わりに、関戸教諭が記事を手に「新聞記事、読んでみたい?」と問いかけると、教室中に「読みたい」と賛同の声が上がった。コピーが配られると、写真をじっくり見たり、真剣に活字を追ったりと興味津々で、チャイムが鳴ると大事にノートの間に挟んでいた。関戸教諭は「新聞記事の感想を今日の宿題にしたい」とした上で「ぐっと自分に近づけることで、学びが深まる」と強調する。

 同校の6年生は昨年、総合学習で東日本大震災を学んだ際もスクラップ新聞を作るなど新聞記事を活用。立花龍太郎君は「新聞は、写真や見出しがあり、被災地のことを分かりやすく伝えている」と新聞に親しんでいる。

リアルさを有効活用

教諭 関戸 裕さん

 新聞はリアリティーがあり、子どもたちは教科書の内容を自分に寄せることができる。昨年から新聞を使い、時事に関心を持つようになったようだ。社会科の目的は、社会に目を向けシチズンシップを身に付けること。新聞を有効に活用していきたい。

情報満載、勉強になる

6年 宮崎 彩乃さん

 教科書で学んだのは大阪の大仙古墳だったけれど、前方後円墳が岩手にあることが分かった。先生が配ってくれた岩手日報には、知らないことが詳しく書いてあった。昨年の震災学習でも新聞を使った。新聞には情報がたくさん載っていて勉強になる。


岩手大教育学部付属小

 1877年創立。学校教育目標は「未来を切り拓(ひら)く人間」で、合唱や吹奏楽、1年生から6年生の縦割り活動が盛ん。