二戸市の酒蔵「南部美人」が、人工知能(AI)を使った日本酒造りに挑戦している。職人が判断する酒米の吸水時間をデータ化し、最適な結論を導き出す試み。久慈浩介社長(46)は「AIを技術者の相棒に育て、人手不足の解消に役立てたい」と意気込んでいる。

 AIを使うのは、米を蒸す前に水を吸わせる「浸漬(しんせき)」と呼ばれる作業。同社では通常、5トンタンクに米と水を投入し、杜氏(とうじ)らが米の品種や精米歩合、水温などを勘案して、ストップウオッチで計りながら吸水時間を調整する。「1%でも吸水率が変わると酒の味が変わる。職人の勘と経験に頼る、最も大切な過程」と久慈社長は話す。

 AIの活用は以前から関係があった、IT技術を使って伝統産業の支援に取り組む「ima(アイマ)」(東京)が提案した。酒米が吸水する様子を数秒ごとに映像化し、色の変化などデータを蓄積。解析ツールを使い、最適な吸水時間を算出する仕組みだ。