東京大大学院の渡辺英徳教授(情報デザイン)の研究室と岩手日報社は、29日の昭和の日と奥州市の日高火防祭(ひたかひぶせまつり)に合わせて、人工知能(AI)技術を活用し、1954(昭和29)年に行われた火防祭の白黒写真をカラー化した。今と違って屋台を担ぎながら、大勢の人の間を縫って進む様子が鮮明によみがえった。当時を知る住民はにぎわいを思い起こしながら、人口減少の中でも次世代に祭りを継承する大切さを実感している。

 写真は54年2月25日の火防祭を現奥州市水沢字柳町の県道交差点付近から立町方向に撮影したもので、同社発行の「目でみる岩手一世紀」に掲載。当時は旧暦1月22日に開いており、同年2月26日の岩手日報紙面でも祭りの様子を7枚の写真とともに紹介している。

大勢の人の中を男衆に担がれて運行するはやし屋台=1954年2月、奥州市水沢

 カラー化には、早稲田大の石川博教授(情報学)のグループが開発したAIが自動で色付けする技術を活用。はやし屋台やはんてんの色などの取材も踏まえ、渡辺教授が補正した。

 同年は4月の1町5村(水沢町、佐倉河村、真城村、姉体村、羽田村、黒石村)合併による旧水沢市誕生を前にした節目の火防祭で、市観光物産協会によると「何年ぶりかの雪のない祭り日和で、近年になく大にぎわいだった」と資料に記されている。

 写真中央は横町組のはやし屋台で、現在のように約30人で押して運行するのではなく、約100人の男衆が担いでいた。