宮古市西ケ丘の弁護士吉水和也さん(33)は、同市宮町に開業した「三陸うみねこ法律事務所」を拠点に、支援を求める人の声に耳を傾けている。弁護士過疎の宮古地域で力になりたいと古里に戻り、生活全般のトラブルや震災に関する相談に対応。地元の青年会議所やNPO法人にも所属し、積極性と行動力を武器に広い管内を日々駆け回っている。

 28日は吉水さんが所属するNPO法人みやっこベースの事務所で、創作活動に励む地元高校生らと交流した。「同年代や学生との交流を通して、地域振興のために何ができるかを探っていきたい」と奮闘する。

 同市田老出身の吉水さんは、宮古高から東京大に進学。東京都内の弁護士事務所に就職した約3カ月後、東日本大震災が発生した。実家は流失し、故郷はがれきの山になり「何かできないかという焦りと、個人では何もできない歯がゆさがあった」と振り返る。

 

 都内で弁護士の経験を積んだ後、2013年に地元に戻り、弁護士過疎を解消するために設立された同市の法律事務所の4代目所長に就任。昨年11月に事務所を引き継ぐ形で、個人事務所を開業した。

 

 相談は主に相続、離婚、成年後見などだが、震災に関する相談も手掛けてきた。震災の災害弔慰金の支給に関する相談もあったが「災害関連死を裏付ける資料がなく、支給が難しいケースもある。納得できないという方もいる中、できるだけ広く認めるのが制度の役割だと思う」と語る。

 ほかにも、住宅再建する際のメーカーとのトラブルや、高台への集団移転で発生した近隣住民間のもめ事などを手掛けてきた。

 「いつまでも被災地として甘えてばかりもいられないのも事実」と自覚し、陸中宮古青年会議所の理事として地元の学生に向けた就業体験イベントなどを企画。田老地区のまちづくり協議会にも出席する。

 「インフラ整備は進んでいるが、若い人が少ない。被災の風化が進まないよう外部への発信もしながら地域を盛り上げていきたい」と意気込む。