穏やかな海の前で、鎮魂の舞を披露する浦浜念仏剣舞保存会の子どもたち=11日、大船渡市三陸町・越喜来漁港

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「7年」の海包む鼓動

 3月11日。多くの人たちがあの日を思い出し、亡くなった大切な人へ思いをはせた。東日本大震災から7年を経ても、悲しみが癒えることはない。

 大船渡市三陸町越喜来(おきらい)では、鎮魂の祈りを込めた太鼓や笛の音色が響いた。浦浜地区に伝わる浦浜念仏剣舞(うらはまねんぶつけんばい)保存会と金津流浦浜獅子躍(かなづりゅううらはまししおどり)保存会(いずれも古水力会長)のメンバーが、地区内を練り歩き、越喜来漁港で供養の舞をささげた。

 震災の津波でメンバーの自宅や店舗が被災し、剣舞の面や太鼓、衣装なども流失した。活動は一時中断せざるを得なかったが、震災から百か日、犠牲者への思いを胸に自宅跡地などを回って舞った。以降3月11日をめどに弔いの踊りを続けている。

 「ドンッ、ドドンッ、ドドンドンドンッ」。太鼓の音が海に響く。「ピィーロロ、ピィーロロ」。笛が抑揚のあるおはやしを奏でる。鎮魂のリズムは海を優しく包み、亡くなった多くの人の思いを紡いでいく。

 (文・写真 報道部・山本毅)


 

メモ浦浜念仏剣舞保存会、金津流浦浜獅子躍保存会のメンバーは合わせて約50人。剣舞は江戸中期に始まったとされ、中断を繰り返しながらも1972年に復活した。獅子踊は元々あった浦浜鹿踊(ししおどり)が大正後期に途絶えたため、90年から復活に取り組み、現在の流派として活動を再開している。