会場満員 熱意に驚き

 早起きがすっかり苦手になった。昨年2月まで約2年間過ごした中米・エルサルバドルで午前5時起床、午後10時就寝の規則正しい生活を送っていたのがうそのようだ。

 とある休日、布団でぼんやりしていると、透き通った歌声が耳に入った。正体は近隣の遠野小児童の合唱。眠気が吹き飛び、窓を全開にして聞き入った。

 10月には、その合唱などの歌と踊り、演技で遠野物語の世界を表現する全校活動「遠野の里の物語」の発表会を取材。感情豊かで圧倒的な演技は小学生のレベルを超越しており、興奮のあまり普段はほとんど使わないカメラのムービーモードを起動させていた。

 何よりの衝撃は市民の関心の高さだった。900人余を収容する会場の市民センター大ホールが本番前に満員御礼。比較するものではないが、同会場で9月下旬に開かれた芥川賞作家若竹千佐子さんの市民栄誉賞表彰式の入場者が約600人ということを踏まえると、そのすごさが際立つ。

 同校は1982年に独自教育として同活動を開始。児童数は当時の約3分の1になっても、市民の宝として輝きを増しているのは、地域の学校を支える熱意のたまものだ。世代を超えて受け継がれる伝統にもっと光を-。来年も目を光らせ、地域の歩みを伝えていきたい。

(小野寺隼矢)