【東京支社】国際リニアコライダー(ILC)の国内誘致を巡り、日本政府の意思表明の期限が「年内」から「3カ月後」に先延ばしとなった。国際研究者組織の幹部が7日、推進派の国会議員に方針を伝えたのは、日本側の議論が「越年濃厚」とみて、多少の猶予を与えることで対応をせかす狙いもありそうだ。仮に前進がなければ「プロジェクトは終わり」とも忠告し、誘致が実現するか否か、最終局面を迎える。

 国会内の会議室に居並ぶ超党派議員に対し、リニアコライダー・コラボレーション(LCC)の村山斉(ひとし)副代表は「到着時間が決まっている電車の出発時間が過ぎている。日本政府が乗るのを待っている状況だ」と語気を強めた。

 前日の6日、国際将来加速器委員会(ICFA)の下部組織、リニアコライダー国際推進委員会は電話会議を開催。「年内に日本の声明を得るのは困難」として、ぎりぎりの期限を協議した結果、東京都で会議を開く「来年3月7日」を提示する方向となった。

 7日の国会は会期末直前の激しい攻防を繰り広げたが、超党派議員と研究者は予定をオーバーする約1時間、意見を交わした。自民党の鈴木俊一衆院議員(岩手2区)が「中国の円形加速器計画の状況は」と問うと、村山氏は「設計の成熟度はILCに追いついていないが、日本でうまくいかない雰囲気だと、中国に加わる欧米の研究者が増えていく」との懸念を示した。

 日本学術会議の検討委が11月公表した回答案では、巨額の建設費を巡る国際分担について「見通しがない」と疑問を投げかけた。超党派「科学技術の会」会長を務める自民党の細田博之衆院議員は「政府の長期的な負担や関係機関の出資など、具体論を加速させるべきだ」と今回の期限延期を生かし、誘致への流れを強める活動を訴えた。

 これまで日本政府に再三、意思表明を求めてきたLCCのリン・エバンス代表は「世界の科学者コミュニティーはいらだちがたまっている」と苦言も呈した。「最後のメッセージ」に日本政府がどう応じるか、注目される。