名に負けない記者へ

 「『わごう』さんって珍しい名字ですね」。初対面の取材相手から必ずと言っていいほど言われる。毎度のことなので、最近はあいさつと同じようなものだと思い始めている。

 そんな記者の名字と一文字違いの金ケ崎町の和光(わこう)地区。同町を担当し始めた4月から、勝手に親近感を抱いている。

 県南有数の酪農地帯で、70年前に山形県などからの移住者が開拓。祭りでは花笠音頭を踊るなど、独自の文化を育んでいる。一方、近隣に商業施設はなく、若い世代は地域を離れ人口減少が進む。

 現状を打開しようと、地元酪農家らが会社を立ち上げ、自慢の牛乳を使ったジェラートの加工販売施設「牧草の丘」を9月にオープンした。味は言うまでもなく一級品。濃厚かつさっぱりとした甘味が老若男女をとりこにする。

 そんな中聞いた、関係者の「牛飼いが経営をするのは不安だらけだが、酪農を絶やさないために動いた」という言葉は切実だった。

 ジェラートだけで劇的に地域が変わるとは思わない。だが、牧草の丘には、記者の知り合いなど多くの人が訪れ、早くも地域の顔になりつつある。

 「和合」は、調合や親しみ合うという意味を持つ。地域に向き合い、芯のある記事を書き、読者から親しみを持ってもらえる名前通りの記者を目指したい。

(和合真也)