大船渡市三陸町越喜来で東日本大震災の被災跡地に整備した私設の大津波資料館「潮目」は、同地の産業用地化に伴い解体された。同館を建てた同市三陸町越喜来の土木業片山和一良(わいちりょう)さん(67)は、併設していた旧越喜来小の非常階段を「震災遺構」として近くの私有地に移設。震災の記憶を伝え、人々が集う場として親しまれてきた「潮目」は、場所と形を変えて生まれ変わる。

 同館は震災で発生した廃材などを使い、旧越喜来小校舎向かいに2012年7月に開館。震災前の越喜来や津波襲来時の写真などが展示され、地域の人やボランティアらの憩いの場として親しまれてきた。

 今年9月、市が同館周辺の産業用地化に向けた整備を決定。移築は難しいと判断した片山さんは「潮目がなくなるときは越喜来の復興が終わったときだと思っていた」と寂しさを感じながらも、解体に向け少しずつ準備を進めてきた。

 同館が完全に解体された先月中旬、片山さんは同校の児童と教員の命を守った非常階段を「プラスの震災遺構として残したい」と私有地に移設。現在は階段を屋根として活用した小屋を建設中で、完成後は潮目に展示していた写真などを設置する予定だ。