院長が年内退職の意向を示している奥州市の市総合水沢病院(145床)で4日、新たに常勤の内科医2人が本年度内に退職することが明らかになった。市営2病院3診療所の経営を管理する市医療局の柏山徹郎病院事業管理者(67)の退職も判明。新市立病院建設計画を巡る混乱を背景に、現状の診療体制や病院経営の維持が懸念される深刻な事態に、市民からは早急な医療体制の立て直しを求める声が上がる。

 市医療局によると、内科医2人の退職理由はともに個人的な事情。柏山事業管理者は取材に対し、「医療現場の声を市当局に伝えきれなかった」と語った。

 老朽化する水沢病院の移転新築を巡り、市は当初2021年度の開院を目指したが、地元の医師会などが「医療圏の将来像を描いた上で、新病院の役割を示すべき」と主張し、建設に向けた有識者会議への参加を辞退。会議は1月以降、休止されたままだ。

 水沢病院の半井(なからい)潔院長は計画が進まない状況を不服として10月、年内退職の意向を表明。小児科唯一の常勤医である半井院長が診療をやめたことで、地域の小児医療の中核的役割を担ってきた小児科は11月末でストップした。

 半井院長と内科医2人の退職が経営に与える影響について、柏山事業管理者は「年間6億~7億円の収入減が予想される。状況が改善されなければ、数年後には運営が危機的状況に陥ることが懸念される」との見解を示した。