北上市は国籍や性別にかかわらずダイバーシティ(多様性)を認め合う地域社会を築くための条例づくりを進めている。男女共同参画に加え、外国人、LGBT(性的少数者)、障害者ら誰もが暮らしやすい社会を目指す。市内で6日に開く公開型意見交換会での声も取り入れ、早ければ本年度中の制定を目指す。多様性の視点を盛り込む条例制定は県内初の試みで、取り組みの広がりや実効性が注目される。

 条例は誰もが住みやすい地域の実現へ、行政や市民が何を目指すべきかなど理念を盛り込む見通しだ。

 条例化の背景には男女共同参画の停滞などがある。市は2011年に新しいきたかみ男女共同参画プランを策定。審議会などの女性委員比率の目標を最終20年度で35%と定めるが、16年4月で25・1%と前年同期比1・2ポイントの微増にとどまる。市議会の女性議員の割合は19・2%だ。

 高橋敏彦市長は「男女共同参画の前進へ、何かきっかけが必要。多様性の視点も入れながら、意識を変えていかなければならない」と条例制定の狙いを語る。

 また、同市の外国人住民登録者数は13年3月末の419人が18年10月末は607人に増えており、多文化共生の推進も求められている。

 県によると、県内自治体で多様性の視点を取り入れた条例はない。LGBTらへの差別や暴力の解消に取り組む市民団体「いわてレインボーマーチ」の加藤麻衣代表(24)は「生き方の多様性がない地域からは若者を中心に人が出ていってしまう。条例をつくって終わりではなく、具体的な活動につなげてほしい」と期待を寄せる。

 一方、「ダイバーシティは全ての人に関係することで、LGBTや外国人など『一部の人のこと』と特別視されないよう、正しい認識を広げてほしい」と求める。

 公開型意見交換会は6日午後6時から北上市大通りの市生涯学習センターで開き、講演や加藤代表らによるパネル討論を行う。申し込み不要で市外からも参加できる。参加無料。問い合わせは市地域づくり課(0197・72・8299)へ。