久慈市で2006年に見つかり、国内唯一のカマキリの化石とされていたのは別の新種の昆虫の化石だったことが分かった。大阪府の箕面(みのお)公園昆虫館の中峰空(ひろし)館長(47)らが4日、動物学誌ズーキーズに分析結果を発表した。数少ないカマキリ化石として同市小久慈町の久慈琥珀(こはく)博物館で08年に公開され、本紙でも紹介していた。実際はカマキリとは分類上の位置付けが大きく異なるカマキリモドキに近く、これまでに知られていない絶滅種だった。

 昆虫分類が専門の中峰館長らが詳しく調べると、羽の筋が網目状ではなく直線的で、触角は多くの節を持つなど、特徴がカマキリと大きく異なっていた。前脚の内側にとげや毛があることなどから、トガマムシ科の絶滅したグループに含まれる新発見の種だとした。

 化石は久慈市小久慈町の約8700万年前の白亜紀後期の地層で見つかった。長さ約19ミリの琥珀に入っており、鑑定した研究者が形態からカマキリの可能性があると判断。しかしその後、詳細な調査は行われていなかった。

 中峰館長は「トガマムシ科の現生種は現在アフリカ南部にしかいないが、大昔は東アジアにも分布していたことが分かった。貴重なカマキリの化石でなかったのは残念だが、重要なことに変わりはない」と説明する。

 今回の分析結果を受け、久慈琥珀博物館の新田久男館長(54)は「カマキリ化石は国内唯一だが世界では8例目だった。今回はそれが新種と定義し直され、『世界で初めて』になった。研究が進み、新たに解明されたのはうれしい」とほほ笑む。