安心安全あってこそ

 西磐井や平泉町を主担当する傍ら、東磐井にも取材で足を運ぶことが多い。見慣れない地名や風景に心なしか足取りが軽くなる。

 7月に米国の高校生約20人が、一関市大東町中川の京津畑(きょうつはた)交流館山がっこを訪問。日本文化学習プログラムの一環で平泉町の中尊寺などを見学し、同交流館に宿泊した。

 住民が万国旗を飾り付けて餅料理などを振る舞い和やかに交流したのだが、手配会社の英語を話せる担当者は生徒到着後に帰宅。流ちょうに英語を話せる人がいない状況下で、住民は身ぶり手ぶりや片言の英語で意思疎通をした。

 山あいの集落での国際交流に心が和む一方で「言葉が十分に通じない中で、有事の際に安全を確保できるのだろうか」とふに落ちない気持ちになった。現場を去る担当者に問いかけなかった自分を恥じた。

 昨今、インバウンド(訪日外国人客)が増加している。大規模災害など有事発生時なども考えると、言葉や文化が違う人へのコミュニケーションは極めて重要だ。

 この日、翌朝まで生徒の世話をする住民は「前回もこんな感じだったから」と不安げな表情を浮かべた。日本文化学習プログラムとはいうものの、国際交流は安心安全あってこそ。そう思いを強くした取材だった。

(松本 千里)