来年3月23日からリアス線(久慈-大船渡・盛間)を一貫経営する三陸鉄道(中村一郎社長)は3日、JR盛岡支社からの出向社員12人の入社式を行った。このうち、釜石市の自宅が被災した山崎正和さん(59)は、東日本大震災の影響で休止中のJR山田線宮古-釜石間(55・4キロ)を運転していた経験から自ら名乗り出て、復旧区間の運転などに当たる。第三セクターとして国内最長の163キロを運行する三鉄の新たな出発と、沿岸復興のさらなる推進へ意欲を高めている。

 入社式は宮古市栄町の本社で行われ、山崎さんら出向社員12人は中村社長から辞令を受け取った。その後、入社手続きや規則を確認し、真新しい制服に袖を通した。

 山崎さんはこれまで、主に釜石線と山田線の運転士を務めてきた。震災当日の2011年3月11日には業務で宮古市におり、釜石に向かう列車の運転に備えている最中に揺れが襲った。

 両市の避難所で二晩を過ごし、同13日にようやく故郷の釜石市箱崎町にたどり着いたが自宅は津波で跡形もなくなっていた。それでも、がれき撤去のボランティアをしている時、住民から早期の運行再開を期待する声を掛けられ、地域の鉄道の重要性を再確認した。

 山崎さんは「8年ぶりに復活する路線を運転できることをうれしく思う。地域の足として利用され、初めての人にも乗ってみたいと思われる三鉄にしたい」と決意する。