菊池雄星投手にとって、米大リーグは花巻東高時代からの夢だった。西武入団後の9年間、常に頭に置いて成長を続けた。技術の向上に加え、グラウンド外では英会話の勉強を続け、同僚の外国人選手と通訳を介さず技術論を交わすまでになった。「常に挑戦し続けるというのがスタンス」と、憧れを現実のものにしようと努めた。

 150キロ台の直球とスライダーは一級品だが、大リーグのスカウトには「右打者の外角への決め球がない」との声もあった。スライダー頼みでは通用しないと自覚し、ここ数年は右打者の外角に沈むチェンジアップ、フォークボールの習得に励んだ。より緩急をつけるため、2016年からは、それまで「1試合に1、2球だった」というカーブの割合を増やした。

 16年に初めて2桁となる12勝を挙げ、17年は16勝を挙げて初タイトルとなる最多勝と最優秀防御率を獲得した。今季は14勝で10年ぶりのリーグ優勝に貢献。「皆さんに背中を押していただける状態で、というのはあった」との言葉通りに3年連続で好結果を残し、満を持して夢の扉を開けた。