【東京支社】日本政府による国際リニアコライダー(ILC)誘致の可否判断が、来年に持ち越される運びとなった。柴山昌彦文部科学相は28日、今年最後の記者会見で「(検討状況に)変化はない。国際的な動向を注視しながら、今後の対応を検討する」との意向を示した。

 柴山氏は、日本学術会議から提出を受けた国内誘致の意義に関する回答に触れ「慎重な意見が出された。そのことも踏まえて政府として今後検討を続けたい。今、状況に変化があるわけではない」と説明した。

 日本政府に対し、年内に前向きな意思表明を求めていた国際研究者組織のリニアコライダー・コラボレーションは今月、表明の最終期限を「来年3月7日」と再提示した。

 政府判断の時期について柴山氏は「国際研究者組織から年内の表明は『現実的ではない』との判断がなされ、来年3月上旬までに見解を示すようにとされた。国際的な動向を注視しながら、対応を検討したい」と述べた。

 同会議は今月、学術的意義を認めつつ、国際経費分担など課題を挙げ「現状の計画内容や準備状況から判断して、日本に誘致することを支持するには至らない」との回答を文科省に提出した。最終結論は政治判断に委ねられ、行方が注目されている。

 ILCは素粒子物理学の巨大実験施設で、地下トンネルに直線型加速器(初期整備延長約20キロ)を設置し、宇宙誕生の謎を解明しようとする国際プロジェクト。本県の北上山地(北上高地)が建設候補地とされる。整備費は7千億~8千億円程度と見込まれる。