新たな風は農業から

 何かと「平成最後」が話題になったこの1年。個人的には、お隣秋田県の金足農高が大活躍した「平成最後の甲子園」が印象に残る。大会期間だけ野球好きになるにわかファンだが、ついに優勝旗が「白河の関」を越えるか-とワクワクしながら見守った。

 岩手支局管内の岩手町と葛巻町は野菜生産や酪農に力を入れており、今年も1次産業の現場をたびたび取材した。生産者を身近に感じた経験が、東北の農業高校の応援に力が入った理由だったかもしれない。

 岩手町では今年5月に町長選挙があり、16年ぶりの選挙戦となった。加速する人口減少・流出や地域経済の衰退など、住民の切実な危機感を肌で感じた取材だった。選挙戦の結果、新たな町長が就任した。平成が終わり年号も変わる。地域はどう変わるだろうか。

 先日、同町の農業者が集まる会合で「変わらないためには変わることが必要だ」との言葉を聞いた。基幹産業である農業の継続的な発展には、時代や状況に応じた変化も不可欠だということだろう。地域や日本の食は自分たちが支えているのだという参加者の誇りと熱意がまぶしかった。

 金足農高の甲子園での快進撃は「金農旋風」と呼ばれた。新しい時代、町に新たな風が吹くとしたら、農業分野からではないかと期待している。

(及川 俊)