伝承への熱意触れる

 北上市の郷土芸能、鬼剣舞の団体の1年は「笠越し」という舞納めの儀式で締めくくる。5月から同市の北藤根鬼剣舞(伊藤大輝庭元)で踊りを習い始めた記者も先日参加し、1年間の感謝を込めた。

 何も知らなかった着任当初は「ニワモト」「カタナクルイ」と聞き慣れない言葉に戸惑った。鬼の踊りなので、赤面がリーダー格だと思い込み、ひたすらカメラを構えて追っていた。正しくは白面だ。

 素人ながらに勇壮さに引かれ、休日を使って通うことにした。毎練習後に襲われる筋肉痛や、ぎこちない動きを笑ってもらいながら初公演を目指し稽古中だ。

 2018年は団体創立100周年も重なった。一時は途絶えかけただけに、若者中心のメンバーの思いは熱い。素人の自分にも「この踊りはな…」「早く踊れるようになれよ」との本気の語りにビールも進んだ。

 伝承の苦労を知った分、他団体の海外公演や全国大会出場の取材も自分のことのように喜べた。一方、市民俗芸能団体連合会(菅原晃会長)が今年行った調査で後継者不足が浮き彫りとなり、苦しい思いを続ける団体の現状も知った。

 伝統芸能が消える分だけ地域のつながりがなくなると言っても過言ではない。伝え続ける人たちの思いを応援し、また1年の締めくくりを笑顔で迎えたい。

(金崎 諒)