県教委は、児童生徒の名前を男女別にしない男女混合名簿の導入に向け、各学校の議論を加速させる。県立高には来年度の全校導入を前提とした検討を求めるほか、導入率が低い小中学校にも議論を促す。本県での導入は遅れており、県教委は県男女共同参画調整委員から2度にわたって導入促進を勧告されているが、現場には「使い勝手が悪い」などの声もある。男女平等や性的少数者(LGBT)への理解が求められる中、「男子が先」の慣行を変えられるか注目される。

 担任が名前を呼ぶと、元気に返事をする釜石市の平田小(児童156人)1年生。同校は約10年前から出席簿などに混合名簿を使っている。体育など一部で男女別の名簿も使うが、今野百合香副校長は「不便という声は聞かない。混合名簿が男女平等の意識を育てる面があると感じており、他校でも導入を進めていいのではないか」と語る。

 県教委の調査によると、本年度の混合名簿使用率は小学校39・0%、中学校21・4%、高校81・3%。日教組の2016年度全国調査では小学校86・7%、中学校67・2%、高校89・5%で、本県は特に小中学校で普及していない。地域差も大きく、男女共同参画プランで100%導入を目指す釜石市は小学校100%、中学校60・0%だが、盛岡市は小学校11・9%、中学校8・3%にとどまる。

 未導入の盛岡・河南中(生徒419人)の長島香乃子副校長は「平等教育はおろそかにしないが、体育や身体測定など男女別名簿が必要な場面があり、近年は性別が分からない名前も多い」と現状維持の理由を語る。県教委調査では「事務処理上便利」「不都合がなく慣習で使っている」などの理由が多かった。