宇宙誕生の謎に迫る大型加速器・国際リニアコライダー(ILC)の国内誘致の意義を検討する日本学術会議は「現状の計画内容や準備状況から判断して、誘致を支持するには至らない」とする最終回答案をまとめた。19日午後の幹事会で承認されれば、同日中に文部科学省に回答する方針。日本政府はこれらを基に誘致の可否を判断する見通し。

 学術会議事務局によると、最終段階に当たる有識者の確認作業「査読」は18日終了。19日の幹事会は、検討委の家泰弘委員長(日本学術振興会理事)が回答案について説明し、幹事会の構成員が審議。

 検討委が11月に公表した文案は、ILCの主要な研究課題であるヒッグス粒子の精密測定に一定の意義を認めながら「経費の国際分担の見通しがない」など複数の課題を厳しく指摘。誘致を求める研究者らは「事実誤認が多い」などとして修正を求め、幹事会での審議が注目されていた。

 ILC誘致を巡り、日本政府に年内の意思表明を求めていた世界的な研究者組織・リニアコライダー国際推進委員会(LCB)は今月7日、最終期限を「来年3月7日とする」と表明。政府は学術会議の回答などを踏まえ、誘致について判断する見通しだ。

 ILCは地下約100メートルのトンネルに直線型加速器(初期整備延長約20キロ)を設置し、宇宙誕生の謎を解明しようとする国際プロジェクト。電子と陽電子を超電導加速空洞でほぼ光速に加速させてぶつけ、未知の物質や働きなどを調べる。本県の北上山地(北上高地)が建設候補地とされる。