東日本大震災で犠牲になった大槌町職員の遺族の間で、被災時の状況解明と説明を求める声が広がっている。旧役場庁舎の本体解体が1月に迫る中、遺族は集いを開いて震災から7年9カ月余りの苦しみを涙ながらに語り合い、改めて真相究明を求める考えを共有。「家族が生きた証し」の旧庁舎の保存を求める意見のほか、旧庁舎とは別に教訓を伝える遺構の整備を訴える声もある。事実に目を背けたまま再発防止はできない。遺族の思いは一つだ。

 集いは町職員だった長女裕香(ゆか)さん=当時(26)=を亡くした小笠原人志さん(66)ら遺族2組が呼び掛け、釜石市内で15日に非公開で開催。小笠原さんによると7組9人が参加したほか、交通事情などで参加できなかったものの、趣旨に賛同する遺族が他に10組いた。

 遺族らは約2時間半にわたって懇談。家族が犠牲になった訳を知らずに過ごす時間の苦しみや町への不信感、周囲の反応を恐れ、声を上げたり口を開いたりできなかった思いを語り合った。