古いガラス戸やドアがパッチワークのように組み合わされた窓から、こちらをじっと見つめるつぶらな瞳。目が合って思わず笑顔になる。奥州市の「Cafe&Living UCHIDA(カフェアンドリビングウチダ)」は、店内手前が落ち着いた雰囲気のカフェ、窓を隔てて奥が託児所になっており、お互いの様子を見ることができる。

 託児所スペースは、「家のように過ごしてもらいたい」との思いを込めて「Living」と名付けた。木のおもちゃや小さなボール、滑り台が用意され、子どもたちは保育士の資格を持つスタッフらと一緒に遊び、のびのびとした様子で楽しそう。窓からカフェをのぞく姿もよく見られる。

 ウェブデザインなどを手掛ける「COKAGE STUDIO(コカゲスタジオ)」の川島佳輔さん(30)らが同店を運営。川島さんの妻で保育士の珠美さん(30)がマネージャーを務めている。

 オープンのきっかけは託児所探し。川島さん夫妻は長男が1歳くらいのころ、託児所を調べたことがあったが、インターネットやパンフレットではどんな環境なのかがよく分からず不安に。結局そのときは預けることを諦めた。「誰でも気軽に入ることができて、子どもたちの過ごす様子が分かったらいいのに」。2人の間で何度かこのことが話題に上り、あるとき川島さんが「保育士だし、そういう場所を作ってみたら。きっと楽しいよ」と珠美さんに提案。カフェを併設するアイデアが浮かび、「地域の人が子育てを見守ってくれるような空間」を目指して準備が始まった。

カフェスペースの奥にはパッチワークのように組み合わされた窓があり、託児所の様子を知ることができる

 壁を塗ったりテーブルを作るなど、周囲の協力を得ながら古材を生かしたリノベーションを進め、2017年6月にオープン。店舗は以前額縁店で、地域の人から「ウチダ」と呼ばれ親しまれていたため、店名として引き継いだ。

 カフェはトマトチキンカレー(税込み800円)やバタースコーン(同300円)などのメニューが人気で、ドリップコーヒー(同400円)や自家製シロップのジュース(同500円)などの飲み物もそろえる。食材は無農薬や減農薬にこだわり、添加物も使用していない。訪れる人は高校生から高齢者まで幅広く「子どもの声が聞こえたり、託児所の中から手を振ってくれるのがうれしい」と成長を温かく見守る。

 保育士の資格を持つスタッフは、珠美さんを含めて現在4人。託児所の利用者には、子どもを預けた後そのままカフェで休憩する母親もいる。珠美さんは「お母さんたちは預けるのをいけないことだと思わないでほしい。仕事を持っている人も専業主婦の人も、1人でゆっくりする時間は大切。自分がリフレッシュするためにも使ってほしい」と笑顔を見せる。

memo  「Cafe&Living UCHIDA」は奥州市水沢区東大通り1丁目5の35。営業時間はカフェが午前10時から午後5時まで、託児所が午前9時から午後5時まで。定休日は日曜と月曜(月曜が祝日の場合はカフェのみ営業)。電話は0197・47・4158。託児所は1時間750円、2時間1500円、4時間2500円、8時間5000円で、お得な回数券もある。予約は電話かオンラインで受け付ける。同店のインスタグラムなどで情報を発信している。