人前でご飯が食べられない-。会食に極度の不安や恐怖を感じる「会食恐怖症」に悩む人たちがいる。学校や家庭での過剰な完食指導が発症原因の一つとされ、人間関係や社会生活が困難になるケースも。自力で症状を克服した経験を基に支援団体を立ち上げ、著書「会食恐怖症を卒業するために私たちがやってきたこと」(内外出版社)を刊行した山口健太さん=盛岡市出身=に話を聞いた。

 山口さんは昨年5月「日本会食恐怖症克服支援協会」(東京都渋谷区)を設立。グループでの相談会や無料通信アプリLINE(ライン)を利用した個別相談会などでカウンセリングを行い、症状に悩む当事者や保護者らのサポートに取り組んでいる。

 相談は年間で延べ千人を超え、多い日は1日30件にも上る。相談者は20、30代が多く6割程度が女性だ。「(相談者は)氷山の一角で、情報が少ないからと諦めている人も多いのでは」と山口さん。克服経験者として力になりたいと、ノウハウを一冊にまとめた。

「会食恐怖症を卒業するために私たちがやってきたこと」

 山口さんは高校時代、部活動の合宿でたくさん食べるよう厳しく指導されたのがきっかけで発症。食堂に入るだけで吐き気がするなど苦しんだ。「一番つらかったのは周囲に共感者がいないこと。孤独だった」

 何とか治したいとインターネットでヒントを探したが「治療法についてはほとんど情報がなく『病院へ行きましょう』程度のことしか書かれていなかった」。思い悩み、将来に大きな不安を抱いていたという。

 「会食恐怖症を-」は四六判、240ページ。1620円。