大船渡市の越喜来(おきらい)湾など県内の各海域で、コンブなどの海藻が激減する「磯焼け」被害が深刻となっている。冬場の高海水温に伴うウニの食害が原因とみられ、海藻を餌とするアワビの県内全体の水揚げ(11月末現在)は78・5トンと、不漁だった前年同期を15・0%下回る危機的な状況だ。越喜来漁協はアワビ資源回復のため一部海域の漁を切り上げる事態に。海藻が育つ時期にウニに餌を与えたり、ウニの移動・駆除を検討するなど、磯焼け防止の模索も始まった。

 「まるで砂漠だ。磯焼けは3年くらい続いているが、今年が一番ひどい」。東日本大震災前から越喜来湾に潜り続ける同市三陸町のNPO法人三陸ボランティアダイバーズ理事長の佐藤寛志さん(44)は、表情を曇らせる。

 海底は石灰藻の「サンゴモ」に覆われ、一面白色に覆われる。県水産技術センターによると、コンブが育つ冬場に水温が高めに推移しウニが活発に動いてコンブを食べてしまうのが要因。サンゴモはウニを引き寄せる性質があり、海藻が生えてもウニが食べてしまう。

 越喜来漁協では震災前の2010年に9・6トンあったアワビの水揚げが今季は0・6トンにまで減り、今月末までの漁を一部海域では11月で切り上げた。船砥浩一参事は「漁業者からも無理に採るより、将来を考えてアワビを残してほしいという声が大きい。繁殖保護を優先したい」と語る。